冬富士

2009.12.23 Wednesday

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    先日、片山右京のパーティーが冬富士で遭難し、2人亡くなられたそうで、心よりお悔やみ申し上げます。

    大人2人が眠るテントを吹き飛ばす冬富士。
    私も20代の頃、社会人山岳会に所属し、冬富士を経験しましたが、たしかに想像を絶する風が吹きます。

    富士スバルラインが冬季閉鎖されると、五合目までのアクセスは滝沢林道が役割を担います。
    しかし、それも12月の第一週まで。
    以降、下から長い道のりを歩かねばなりません。
    時間に制約のある社会人が、夜行日帰りで冬富士へ登るには、どうしても五合目で前泊したいところ。
    そういう理由から、12月の第一週末は最後のチャンスになるわけで、海外遠征を控えて、全国からあやしい輩が結集します。
    なんといっとても日本の最高峰。
    風速40m。
    マイナス30度。
    魅力にあふれてます。

    佐藤小屋直下まで行き、車中で一泊し、翌日の登山に備えます。
    ところが、一晩じゅう空は重く不気味な咆哮を放ち荒れ狂い、2tもある車を揺さぶり続けます。
    仮眠もそこそこに、まだ暗い中を出発。
    風は嘘のように止み、静寂な中、我々がアイゼン(登山靴の裏に装着する歯がついた滑り止め)を刻む音だけが響きます。
    食事をゆっくりとっていると体温が低下するので、歩きながらポケットに入れたチョコレートやソーセージなど、カロリーが高いものを各自とります。
    眼下の河口湖に陽が射し込む頃になると、山は再び目覚め、人を寄せ付けまいとするかのように、強風は我々を富士から剥がそうとします。
    遠くでゴォーっと唸っていた風が近づいてくると身を低くし、耐風姿勢をとり、浮き上がりそうになりながらもこらえます。
    やがて、無秩序に吹き荒れる風にも一定のリズムがあることに気づき、体がそれを覚えてくると、間隙を突いては登り、また耐風姿勢をとり・・。
    そうやって高度を稼ぎます。
    判断を誤ると、アイスバーンと化した斜面ですから、滑落したらまず止まれないと言われてます。
    冬の富士は遠くから見ると風情がありますが、本当のところは、氷と強風の過酷な世界です。

    今年の北欧買い付けは、私には冬富士のように過酷でした。
    東京3月と同じ気温の小雨の降る中、マグライナーを牽いてストックホルム市中を縦横に・・。
    休憩なし。
    さらに、大事な北欧食器の入った箱3つ積んだマグライナーで、命がけの階段の昇降。
    痩せて帰国しましたからね・・。

    来週は大掃除。
    窓を全部外して水洗いするそうです。
    最近、寒いのが苦手です。
    暖かくなったらしようかって、一応提案してみましたが、もちろん一蹴されました悲しい